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■第92回アカデミー賞まとめ

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先日、第92回のアカデミー賞が発表されました。
今年のアカデミー賞は、近年では久々に大作揃いでバリエーションに富んでおり、特に作品賞は何が獲るのかまったく読めないノミネーションでしたね。

筆者自身もまだ数作品しかノミネート作品を観れていませんが、予習込みでまとめてみました。

アジア映画初の作品賞受賞「パラサイト 半地下の家族」

長いアカデミー賞の歴史で初めて、アジア圏の作品が栄光ある作品賞を獲得しました。ポン・ジュノ監督の映画「パラサイト」が作品、監督賞の二冠。国際長編映画賞、脚本賞と合わせて4部門での受賞となります。

アカデミー賞はそもそもアメリカ国内、ロサンゼルスで上映された映画が選考対象になり、アメリカの映画業界人の団体、映画芸術科学アカデミーの会員が選考しますから、自ずとアメリカ映画中心、ハリウッド中心の受賞傾向になりがちな中、作品賞にノミネートされたことですら偉業なのですが、なんと受賞するとは!

韓国の映画は昔からクオリティは高く、「シュリ」「チェイサー」「私の頭の中の消しゴム」など日本でも人気の作品も多くジャンルのバリエーションも多彩で、一度ハマると抜け出せない魅力がありますが、アジア圏での韓国映画界の層の厚さの証明になりました。

今作も事前評判がすこぶる良かったのでもしかしたらと思っていましたが、アカデミー賞も国際化、多様化に向け姿を変えようとしているのかもしれません。
個人的な欲を言えば、英題ではなく、韓国語の題名にして欲しかったですかね。

受賞後、国内の映画館でも連日満員御礼ですね。
著者も時間を作って必ず観に行こうと思っています。

今年はホアキンの年

俳優賞各賞は―
主演男優賞 ホアキン・フェニックス「ジョーカー」
主演女優賞 レニー・ゼルヴィガー「ジュディ 虹の彼方に」
助演男優賞 ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
助演女優賞 ローラ・ダーン「マリッジ・ストーリー」

ブラッド・ピットがやっとオスカーを獲得したり、スカーレット・ヨハンソンが惜しくも逃したりと話題に事欠かなかった俳優賞ですが、なんといっても今年はジョーカーを演じたホアキン・フェニックスの年になりました。今作でホアキンはゴールデングローブとアカデミーのW受賞です。

元々天才と呼ばれた亡き兄リバー・フェニックスの影に隠れ、デビューから数年は色物な役柄が多かったホアキン。その後兄の死や突然のラッパー転向などを経て、ここ数年は「ビューティフル・デイ」でのカンヌ受賞、「マグダのマリア」でのキリストの熱演など、名実ともに実力のある演技派として評価を重ねていました。

「ジョーカー」でのホアキンの演技は圧巻でした。アメリカ人にとってのバットマン、そのライバルである悪役ジョーカーは、日本人にとってのドラゴンボールのベジータ?(良い例えが浮かびませんでした)くらいイメージが固まりに固まっている題材です。

しかも過去にジョーカーを演じた名優ジャック・ニコルソン、なんといっても「ダークナイト」での故ヒース・レジャーの伝説的な演技と比較されるわけです。並みの俳優ならオファーを断ってもおかしくないほどハードルの上がる役です。

そんな最高難度の役にホアキンは挑戦することになりました。
格差と貧困が蔓延し、退廃的な空気の漂うゴッサムシティ。恵まれない大道芸人アーサーが、自らの境遇や困窮する生活に翻弄され、意図せず人としての道から転落していく。
一人の男の葛藤や苦悩、最終的に常軌を逸した犯罪者、ヴィランに堕ちてゆく様を見事にホアキンが演じ切っています。

映画自体もドキュメント調の強い脚色で、ホアキンの演技のリアリティが凄まじかったので、正直題材はジョーカーではなく、現実社会をベースにした作品の方が評価を受けれたのではないかと思ったほどです。

とにかく実力派俳優の演技の凄みを感じたい、という方におすすめです。

ネット配信系映画の台頭

そして今年も注目されたのは、Netflixを代表する配信系作品の受賞はあるのかという点です。

昨年監督賞など3部門を獲得した「ROME」に続き、今年もNetflix制作の作品が24部門でノミネートされました。マーティン・スコセッシ監督、デ・ニーロ、パチーノの名優コンビで話題になった「アイリッシュマン」。ノア・バームバック監督、アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソンの旬な二人が離婚問題に直面した夫婦をシニカルに演じた「マリッジ・ストーリー」。この2作品が作品賞にノミネートされています。

残念ながら主要賞の受賞はなかったものの、助演女優賞は「マリッジ・ストーリー」のローラ・ダーンが獲得。ドキュメンタリー賞を「アメリカン・ファクトリー」が獲得しており、年々ネット配信系作品の台頭が目立ってきています。

この流れについては、アメリカでも頻繁に議論されている内容です。
そもそもネット配信系作品はテレビ映画であるという風潮や、アカデミー賞にノミネートするためと思われてもおかしくないほどの短期間の劇場上映の傾向から、現状のアカデミー賞の規定変更を要望する声もたくさん挙がっているようです。

しかしそう単純な問題ではなく、現在の映像作品ビジネスの構造として5大配給会社(ディズニー、ソニー、パラマウント、ユニバーサル、ワーナー)の収益構造も、年々映画館での興行収入に比べネット配信での配給収入が上回る傾向にあります。

特にNetflixやAmazonなど大手配信サービスへのコンテンツ売買が収益のかなり大部分を占めてきているのも事実で、そこが古くからのハリウッド勢が排他的になりきれない理由の一つにもなる訳です。映画界の構造自体がこの十数年で劇的に変化しているという事ですね。

個人的には時代やニーズによって賞レースの形は変化して然るべきだと思いますし、興行や配給の形態などに捉われず、映像作品としての映画の出来をシンプルに評価する形であって欲しいと思います。

作品の下支え、技術賞

日本人として嬉しかったのは、特殊メイクの辻一弘さんの2度目のオスカー受賞ですね。

2018年の「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」では、ゲイリー・オールドマンを第二次大戦下の英国首相チャーチルに見事に変身させましたが、今回「スキャンダル」ではシャーリーズ・セロンを、実在するキャスターのメーガン・ケリーそっくりに変貌させています。

元々スターウォーズを観て映画界や特殊メイクに興味を持ったそうですが、今やハリウッドを代表するアーティストですね、誇らしいです。

また今回個人的に注目したいのは、撮影賞と録音賞を獲得した「1917 命をかけた伝令」です。


かなり前から話題にはなっていましたが、第一次大戦の戦場を舞台に、全編ワンカットで撮影した異大作。約2時間の本編の頭から終わりまでワンカットって、、、しかも何百人のキャストが一斉に動く戦争を題材にしながらですよ。役者もスタッフも、何か一つでもNGやミスがあれば最初から撮り直しです。とんでもない事に挑戦していますよね。筆者の次に観に行く映画の筆頭です。どの様な映像体験ができるのか、今から楽しみにしています。

大きな変化の兆し

ざっくりと今年のアカデミー賞の結果についてまとめてみましたが、印象として新しさと変化を色濃く感じられる結果になりました。今までどうしても閉鎖的で不変的な側面が大きかったハリウッドが、国際的に間口を広げ、新しい表現や新しい才能を吸収しようとしている、そんな印象を筆者は受けました。

特に今年は日本でも大型のシネコンで上映される作品が多かったので、この機会にノミネート作品の一気鑑賞というのも良いかもしれません。
また、来年に向けてNetflix作品にもこの一年は注目していきたいですね。

いやぁ、映画って本当にいいもんですね(世代感)

コメント

  1. じぜる じぜる より:

    ここ数年の作品賞はいわゆるポリコレブームで、素直に「面白い映画」が受賞してるとは個人的には思えず興味を失いかけていたけど、また風向きが変わったのかもしれないね。
    ※グリーンブックは面白かった!
    1917は、「バードマンあるいは」みたいな感じらしいよ、観てないけど。

    • Liv_KOPPER より:

      確かに近年は政治色の強い作品や、正直アメリカ人じゃないと一片の共感すらできない作品が多かったですからね。あとアニメとかコミック原作などの焼き直し系?笑 今年は作品賞意外も個性的で、巡っても損はなさそうな予感がします。
      バードマンあるいは、観てないんですが、1917は鑑賞したらレビューしようかな笑

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