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【ゲーム】いま改めて再評価したい「グランツーリスモSPORT」

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車好きの、車好きによる、車好きのためのゲーム「グランツーリスモ

今やレースゲームの代名詞となったこのシリーズの第一作が発売されたのが1997年12月23日。
当時には存在しなかったリアルな挙動と、初代PlayStationのスペックを最大限に生かしたモデリングとグラフィック。衝撃以外のなにものでもないセンセーショナルな登場だったのを覚えています。

筆者はまだ学生で普通免許も持っていなかったため、このゲームを毎日起動しては、免許を取ったらこんな車に乗りたい、と夢見たものです。

その後各世代のPlayStationで計6作のメジャータイトルが発売され、シリーズ累計8000万本以上を売り上げているメガタイトル、まさにレースゲームの金字塔です。

そのグランツーリスモのPlayStation4初タイトルとして2017年10月19日に発売されたのが「グランツーリスモSPORT(以下GTS)」でしたが、発売当初から色々と不評や論争を買いました。

発売時のユーザーの期待感との乖離

前作「6」から4年半、待ち焦がれた次世代機での新作、世界中のグランツーリスモファンに注目される中リリースされたGTSでしたが、発売当初の評価は冷たいものでした。

「車種が少ない」
「コースが少ない」
「モードが少ない」

この「ボリュームが少ない」というのが、発売当初の評価が厳しいものであった最大の理由だったと思います。やはりグランツーリスモというシリーズの魅力は豊富な収録車種、多彩なコースレイアウト、ユーザーを選ばないゲームモードの充実にあった事は間違いなく、その点が他のメーカーのレースゲームの追従を許さなかった要因でもあった訳です。

<GTS発売当時のコンテンツ数>
・車種 160車種強 ※前作GT6は1200車種
・コース 18ロケーション、28レイアウト ※前作GT6は43ロケーション、117レイアウト

こう見ると前作から心待ちにしていたファンからすれば、大幅なボリュームダウン感は否めず、それはつまり「やれることがかなり減った」という印象に直結したと思われます。

さらにオンライン専用タイトルであったこと、VRが全モード対応でなかったこと、天候変化が実装されていなかった事なども「未完成感」に拍車をかけてしまい、一時的なユーザー離れを進める結果になりました。

時代がついて来なかった

ではこのグランツーリスモSPORTが失敗作だったのかというと、まったくそんな事はないんです。
なぜなら、今作GTSはナンバリングタイトルではなく、グランツーリスモをeスポーツのメインストリームに押し上げるためのベース作品であり、オンラインで楽しむことをメインとしたタイトルだからです。

元々発売前からプロデューサーの山内一典氏は、オンラインに特化したタイトルになることや、今までの”カーライフ”に重きを置いた作品にはならないこと、機種やコースなどのコンテンツについては、定期アップデートの形で追加していくことは明言していました。

そして当時始まりつつあったeスポーツという新たなジャンルに対して、グランツーリスモとして可能性を打ち出していく趣旨の発言もしています。だからこそあえて「グランツーリスモSPORT」というタイトル名だった訳です。しかしこのあたりの発言やメーカーとしての展望が、残念ながら一般のユーザーにまで届かなかった、形としてイメージできなかったというのが、ユーザーの期待値とメーカーの思惑が乖離してしまった原因になってしまった。

そういった意味では、もしかするとポリフォニーデジタルのプロモーション戦略の問題だったのかもしれませんし、ユーザーが時代についていけていなかったのかもしれません。

発売から2年、劇的に進化した現在

さて苦しい船出のように見えたGTSportですが、発売から2年4か月経過した現在、大きな変化を遂げています。まずは車種とコースですがー

・車種 発売時160車種 ⇒324車種
・コース 発売時18ロケーション、28レイアウト ⇒29ロケーション、84レイアウト
※2020年2月18日現在

『グランツーリスモSPORT』収録車種一覧

ナンバリングタイトルには及びませんが、発売時から毎月のアップデートで更新され、車種コース共に2倍以上のボリュームになっています。特に日本のユーザーから希望の多かった90年代のジャパニーズスポーツもラインナップに一通り加わり、広い年代をカバーできるようになっています。

コースレイアウトの方もアップデートにて、筑波サーキット、カタロニア、富士スピードウェイ、ラグナ・セカ、オートポリスなどのリアルサーキットがかなり増えましたし、シリーズのファンとしてはルートXや東京エクスプレスウェイなどが追加されたことも嬉しいニュースでした。さらに現在はコースレイアウト限定ですが雨天も追加されています。

『グランツーリスモSPORT』収録コース一覧

またゲームモードもオフラインにて細かなルール設定が可能な「カスタムレース」、各コースの攻略法を学ぶ「サーキット エクスペリエンス」、さらに有料DLCですが、現F1ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンが実際に走行した記録に挑戦できる「ルイス・ハミルトン タイムトライアル チャレンジ」が追加され、遊び方も多様化しています。

「発売後に進化していく」という山内氏の言葉がまさに実現されています。
このアップデートで遊びの幅が追加されていくという要素も、発売当時のユーザーにはイメージが付き辛かったのかもしれません。

大人の楽しみ方、コミュニティ機能

そして今作ならではの楽しみ方の一つが、「クルマを作る」「クルマを眺める」という要素。運転するだけがクルマの楽しみではなく、所有する喜びや造形物としての自動車の美しさにもフォーカスを当てています。

■まるで実写!フォトモードとスケープス
グランツーリスモがレースゲームにもたらした要素の一つに、「リプレイ」を眺めるというものがあると思います。自分が走行した映像を後から眺めてニヤニヤする、初代から存在した機能ですが、リプレイのために走る、というGTファンも少なからず存在しているはずです。

このクルマを眺めるというところにフォーカスした機能がGTSではさらに進化しており、リプレイの保存はもちろん、静止画としてレース中の一コマをまるで一眼レフカメラを使っているように撮影できるフォトモードや、用意された世界中の名所やサーキットにクルマを配置して撮影できるスケープスは、そういった眺めたい人たちの琴線を刺激してくれます。

そのクオリティは素晴らしく、PlayStation4の性能が如何なく発揮されています。

■自分色に染める喜び、エディタ機能とディスカバー
そしてGTSより新たに追加された機能として、「リバリーエディター」があります。
ゲーム内に登場するクルマを好きな色に塗装し、好きな場所にデカールを貼り、好きなホイールを履かせ、自分だけの一台に仕上げる事ができます。

またクルマだけではなく、ヘルメットやレーシングスーツも同様にカスタムできてしまう。これがちょっとしたクリエイター魂をくすぐる仕様になっているんですね。

             ※慣れれば直感的に操作できるエディタ画面

自分好みのスタイルに染め上げよう         統一したデザインでまるでオリジナルのレーシングチーム

もちろん自作したデザインのクルマやレーシングスーツでレースに出場する事もできますし、前述したフォトモードでの撮影を行う事も出来ます。

そしてオンラインタイトルならではの機能が、こういった自作したリバリーや写真、リプレイなどをオンラインコミュティで公開する事ができる「ディスカバー」機能です。


世界中のグランツーリスモユーザーが作成した珠玉のデザインが日々更新されており、気に入ったものはダウンロードしてすぐに使用することができます。また気に入った作品にはFavoriteやコメントをすることもでき、自分のリバリーが他のユーザーに評価される喜びも味わうことができます。

実際にこの機能に魅了されてしまった職人さん達が数多く存在し、Twitterで「GTSport リバリ」などで検索すると山ほど作品が出てくるほどです。

こういったクルマ好きの心をくすぐる機能は、シリーズならではの要素だと思います。

eスポーツとモータースポーツの架け橋として

そしてこのタイトルの最大のウリは”オンライン対戦”なのですが、これがただのオンライン機能ではありません。

シンプルに部屋を作って友達とレースしたり、日々行われているデイリーのレースに参加するだけでも十分に楽しめるのですが、なんといってもこの作品のオンライン機能を象徴するのは「グランツーリスモ チャンピオンシップ」の存在だと思います。

定期的に開催されるポイントレースで結果を残すことができれば、実際の会場でイベントとして行われる選手権に出場する事ができるというもの。まさにeスポーツの時代のレースゲームなのですが―

グランツーリスモの選手権は規模が違います。
まずFIA(国際自動車連盟)公認の選手権だということ。つまり選手権としてはF1などの実際のレースと同格という扱いということなんです。


世界中から集まったトップドライバーが戦うワールドツアーはニュルブルクリンクやパリなど世界各地で行われ、昨年のファイナルの舞台はなんとモナコです。


そしてワールドチャンピオンは、FIAの年間表彰式でF1などのチャンピオン達と一緒に表彰されます。

ワールドシリーズは毎回公式のYouTubeチャンネルで生配信されており、その盛り上がりと番組のクオリティは本当のレースさながらです。直近の2020年の初戦は展開も本当に熱く、筆者は声を出して興奮してしまいました。

[日本語] 2020 ワールドツアー 1 | シドニー | ネイションズカップ

※良ければ上の動画、1:34:00あたりからのグランドファイナルだけでも見てみてください

こんな事が20年前に想像できたでしょうか。
そしてグランツーリスモ出身で実際のレースで活躍する選手たちも年々増えています。日本で活躍した選手では、ルーカス・オルドネス選手やヤン・マーデンボロー選手などがグランツーリスモが主催したアカデミー出身のトッププロドライバーです。

ゲームからモータースポーツへの架け橋になること、クルマ文化への導入の役割を果たすこと、それがプロデューサーの山内氏がグランツーリスモSPORTに託した想いだと感じます。

筆者自身も発売時はどこか期待外れ感がありながら、結局2年以上遊んでしまっています。確かにシミュレーターというジャンルにまで目を広げれば、rFactorやiRacingには敵いませんし、純粋にレースゲームとしてのリアリティや面白味は、コンシューマータイトルでも今はアセットコルサやPROJECT CARSシリーズに軍配が上がると思います。F1やダートラリーシリーズを手掛けてきたコードマスターズの作品の完成度も素晴らしい。

ですがグランツーリスモシリーズがこの20年間で続けてきたこと、モータースポーツへ恩返しをしようとしてきた製作陣の想いを、改めてこの作品は感じさせてくれます。

そしてポリフォニーデジタルでは次回作「7」の開発が進められているといいます。PlayStation5専用タイトルとなるようですが、ナンバリングタイトルとして一体どの様な進化を遂げるのか。

その前に、一度離れてしまった方も、クルマに少しでも興味がある方も、改めて「グランツーリスモSPORT」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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